武甲山登山の朝になりました。
美和子も一緒に行きたいということになりました。
夕方には、中学校に挨拶に金森と行く予定でしたので8時には出発をしたいと考えていました。
登山口まで車で行く途中に、長女の知子さんの所にお弁当をもらいに行きました。このことはふたりには言っていなかったので、とても驚いて、そして感激していたようでした。
こういうことから家族のありがたみ、ぬくもりを感じてそれを身につけていって欲しいものなのですが・・・
山頂までは2時間ぐらいの行程でした。3人でいろいろなことを話しながら登りました。金森は妹に少年院のつらさ、大変さをたくさん話していました。それは「お前はそういうところに行ってはいけない」という兄の気持ちからだったのでしょう。
頂上からの秩父の眺めはすばらしいものでした。今までわたしに話しかけてこなかった美和子までが「ありがとう」と言ってくれました。
武甲山に登って秩父を一望すると、秩父の大きさと小ささが両方いっぺんにわかります。そしてそれに関わる自分の事もまた同時に見えてきますが、まだこの幼いふたりにはそれは無理でしょう。でも、きっと何かは感じたのだと信じたいです・・・
ハプニングは帰り道に起きました。わたしと金森きょうだいがはぐれてしまったのです。
道がわからなくなってしまって、わたしが道を探しに行ってるうちに前の道に戻れなくなってしまったのです。不安の中を車の所まで下山してきたら、ふたりはもうそこに帰ってきていました。なんとか道を探して降りてきたようです。
彼らもかなりあせったようでした・・・
そんなこともあって、美和子もだいぶわたしと話をしてくれるようになってきました。
下山後、金森とわたしは今まで迷惑をかけた謝罪と、妹美和子の今後のお願いをする為に中学校に向かいました。
美和子の担任や学年主任、また金森のことをいろいろと気にかけてくれていた先生たちが入れ替わり立ち代り彼の顔を見にやってきました。
今までいろいろなことがありましたが、彼の中でこれで少し踏ん切りが付いたことと思います。
その足で今度は、金森がぜひ会いたいと言っていたふたりの先生と会う場所まで移動しました・・・
【《実録・罪と罰》の最新記事】

