2008年11月26日

《実録・罪と罰》 その46

4月15日
武甲山登山の朝になりました。
美和子も一緒に行きたいということになりました。
夕方には、中学校に挨拶に金森と行く予定でしたので8時には出発をしたいと考えていました。

登山口まで車で行く途中に、長女の知子さんの所にお弁当をもらいに行きました。このことはふたりには言っていなかったので、とても驚いて、そして感激していたようでした。
こういうことから家族のありがたみ、ぬくもりを感じてそれを身につけていって欲しいものなのですが・・・

山頂までは2時間ぐらいの行程でした。3人でいろいろなことを話しながら登りました。金森は妹に少年院のつらさ、大変さをたくさん話していました。それは「お前はそういうところに行ってはいけない」という兄の気持ちからだったのでしょう。

頂上からの秩父の眺めはすばらしいものでした。今までわたしに話しかけてこなかった美和子までが「ありがとう」と言ってくれました。

武甲山に登って秩父を一望すると、秩父の大きさと小ささが両方いっぺんにわかります。そしてそれに関わる自分の事もまた同時に見えてきますが、まだこの幼いふたりにはそれは無理でしょう。でも、きっと何かは感じたのだと信じたいです・・・

ハプニングは帰り道に起きました。わたしと金森きょうだいがはぐれてしまったのです。

道がわからなくなってしまって、わたしが道を探しに行ってるうちに前の道に戻れなくなってしまったのです。不安の中を車の所まで下山してきたら、ふたりはもうそこに帰ってきていました。なんとか道を探して降りてきたようです。
彼らもかなりあせったようでした・・・

そんなこともあって、美和子もだいぶわたしと話をしてくれるようになってきました。

下山後、金森とわたしは今まで迷惑をかけた謝罪と、妹美和子の今後のお願いをする為に中学校に向かいました。

美和子の担任や学年主任、また金森のことをいろいろと気にかけてくれていた先生たちが入れ替わり立ち代り彼の顔を見にやってきました。

今までいろいろなことがありましたが、彼の中でこれで少し踏ん切りが付いたことと思います。

その足で今度は、金森がぜひ会いたいと言っていたふたりの先生と会う場所まで移動しました・・・


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《実録・罪と罰》 その47

秩父市の羊山公園に近い喫茶店でふたりの先生とお会いしました。

ひとりは金森の中1のときの担任で木下という50歳ぐらいの女性の先生でした。
もうひとりは、わたしもお世話になった元中学の教頭で現在は秩父の教育委員会主事の柴田先生でした。

待ち合わせは喫茶店でしたが、ここでも金森が誰かに見られて連絡されたら困るということで、わたしの車の中で話をすることになりました。

ふたりとも金森の事をだいぶ気にしていたようで、本当に帰ってこれてよかったという事と、これからは道を踏み違わないようにというお話をしてくれました。

特に柴田先生からは「まだまだ無理だろうが、いつも自分のことを客観的に見つめている第3の目を持てるように努力しなさい」と「高橋さんは本当にお前のことを心配してくれていた。ただ、お前はあせってその恩を返そうなんて思ってはいけない。20年・30年経って本当にこの事の意味が分かったときに始めて高橋さんにお礼を言いなさい。それまではしっかりと自分のことを見つめていきなさい」と言っていただきました。

この話はわたしにとってもとてもありがたかったです。
金森はわりと恩に感じてしまうタイプなので、わたしとしてもそこが気になっていたのですが、まさか自分からそういうことは言えませんから、さすがに柴田先生はなんでもお見通しと感嘆いたしました。

1時間ぐらい話をして先生達と別れた後、わたしの家に連れて行って食事をしようと思っていましたので金森にそのことを告げました。
金森はわたしの息子へ悪いことをしたという意識がすごい強かったので、強く固辞をしましたがわたしは無理やりうちに連れて行きました。

明日から、叔父さんの家に行って寝食を共にするための練習になるとお思いましたから。金森にはこういう経験はほとんどないようでしたから、これから社会に出て働いていく為にも必要な事とも思いましたし・・・

うちの息子とは最初はなかなか緊張していたようですが、もともとがクラブの先輩後輩で全然知らない仲でもないのですぐに打ち解けました。
金森はけじめをつけたいという事でうちの息子に謝罪をしていましたが、それもまたひとつの経験としては良い事でしょう・・・

食事も終わり、金森を家に送り届けました。

明日はまた家を離れていく身ですので、今夜は家族とたくさん話をしなければいけないことがあるのでしょう。

例によって、わたしはまた車の中での睡眠でしたが・・・


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《実録・罪と罰》 その48

4月16日
とうとう金森が秩父を離れる日がやってきました。
まずは、保護司の黒澤さんの所に妹の美和子も一緒にお邪魔して、その後どうしても話しをしておきたいという事で、秩父市警の生活安全課の山中さんの所を尋ねました。

この警察官には金森も美和子も両方だいぶお世話になっていたようでした。話は「妹の美和子をよろしく頼みます。これからもきっと自分の前の友人で悪かったやつらが美和子にいろいろちょっかいを出してくると思うので、どうか美和子の力になってあげてください」という事でした。

電車の時間になりました。
池袋で青山さんの奥さんが待っていてくれる事になっていたので、行き違いがあってはいけないと思いわたしも金森と池袋まで一緒に行きました。
途中、電車の窓から外を見ると長女の知子さんが子供を連れてこちらに手を振っていてくれました。

金森は不安でいっぱいでしたが、わたしは「青山さんを信じて、なんでも言う事を聞いてがんばって来い。秩父の家族からなにか困ったことがあると言ってきても、よほどのことでない限り帰ってくるな。多少の事は俺がやってやるから、困ったらいつでも電話して来い・・・」と多少突き放すように言いました・・・

池袋に着くと約束どおり青山さんの奥さんが待っていてくれました。

長いような短いような、なんともいえない3日間がここに終わりを告げました・・・



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《実録・罪と罰》 その49

5月になりました・・・

金森からはたまに「がんばっています」という電話が来ました。

この頃になると、金森が退院してきたという話もだいぶまわりにわかってきてしまったようで、だんだんと金森の家のほうにちょっかいを出すやつが出てきていました。

美和子もなんとか真面目に学校に行っていました。兄との約束を良く守っていました。

それでも、周りの連中が「仲間から抜けるなら金を持って来い・・・」というような事を言って来たりしている様で、この頃に何回か秩父市警の生活安全化の山中さんとは会う事がありました。

山中さんは「この際悪い連中を全員捕まえてしまいましょうか!」と心強い事を言ってくれますが「捕まえた当初はみんな警察によくやったと言ってくれるでしょうが、少し時間が経つとほぼ全員まだ学生なので、そこまでやらなくても良かったのでは・・・という論調に変わってしまうのではないでしょうか・・・」とわたしが言うと「それはそうですね。最初だけなんですよね評価してもらえるのは・・・」愚痴をこぼしていました・・・


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《実録・罪と罰》 その50


7月19日
この日の朝に幸恵からわたしのところに電話がありました。
「お母さんが死にそうになって病院に入院した」という話だったので、すぐにその病院に行って見ました。

医者にも話を聞きましたし、本人の容態も自分で見た結果「また、いつもの感じの大騒ぎか・・・」と思い「康之には連絡するな・・・」と強く言いました。

仕方がないことなのかも知れませんが、金森一家は(じつはこういうタイプの家庭ではわりと多いですが)実際の事以上に大騒ぎになってしまう事が多いのです。
その理由としては、ひとつは自分達は弱者だという認識が強すぎるために、周りがなんでも自分達の為にやってくれるはずだという思い込みが強いのです。そしてもうひとつは。役所や病院そして民生委員などに自分達が申告した事はもうお願いしたんだから絶対にいいほうに事がすぐに進むと思ってしまうので、それがなかなかやってもらえない為に(自分達は何でやってくれないんだという気持ちでいっぱいになってしまう・・・)そのリアクションとして行動や発言が派手になってしまっていくというパターンが多いようです。

わたしは仕事もありますので病院を離れましたが、どうも家族の誰かが金森に連絡をしてしまったようでした・・・


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《実録・罪と罰》 その51


7月20日にどうも金森は秩父に母親の見舞いという事で帰ってきてしまったようでした。

それをわたしは幸恵からの「やっちゃんが帰ってきてくれた・・・」といううれしそうな電話で知りましたが、わたしの心は複雑でした・・・
そして金森の心の中も複雑だったようです。

すぐに神奈川には戻ったようですが、わたしへの電話の中で秩父に行ったという事を彼は隠していました。
わたしもあえてそのことには触れないようにしていました。

青山さんからは「康之はなかなか難しい子で、わたしたちの手にはおえないかもしれない・・・」というような電話を何度ももらっていましたが「青山さんがギブアップしてしまったら彼はもうすがるところはないんです。確かに生活態度は難しい所もありますがそれは今までが今までだったので何も身についていないからで、彼は少しづつですが必ず成長していきます。どうかもう少し長い目で見てやって下さい・・・」とお願いしておきました。

しかし、どうもこの頃から秩父への帰り癖がつき始めてしまったようでした・・・

仕事場へ行かずに秩父に帰ってしまう事もあると青山さんから伺いましたが、わたしのは金森はそのことは何も言いませんでした。

9月になって、ついに青山さんからギブアップの電話が私にかかってきました。どうももう保護司の方とも話しがついているようでした。
わたしの方から保護司の黒澤さんに連絡をすると「本人がどうしても秩父がいいと言うんだから仕方がない・・・」という事でした。

この頃は金森もわたしのことを避けているようで、ほとんど電話もかかってこなくなっていました。

わたしは失望しました・・・

それは金森にではなく、周りの大人たちにです。

どうにかしなくてはという気持ちが急速にさめていくのが自分でも良くわかりました・・・



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《実録・罪と罰》 エピローグ


2000年になってしまいました・・・

この年の2月に、唐突に「金森の母親が死んだ・・・」という情報がわたしのところに届きました。

教えてくれたのは、金森の姉が行っていた養護学校の先生からでした。

わたしは悩んだ結果、今回の事では何の手助けもしないと決めました。

葬式にもわたしはその先生に香典を頼んで自分では行きませんでした。

金森家からわたしにも何の連絡もありませんでした。

私は自分なりにこうに考えていました「金森はこれ以上俺の力を借りてはいけないと思っている。自分の力でやってみようと決心をした」と・・・

じつは、わたしも精神的に1999年はかなり追い詰められていました。

それは、この事だけではなく、自分の父親が死んだ事による周りの反応・対応、弟の供養の事、祖父のルーツの事・・・

祖父の郷里に当たる福井県にも行ってみました。

その結果わたしは仏教の深みに嵌まって行ってしまっていました・・・

ひとことで言えば「諸行無常」を感じてしまっていました。

ですが、わたしはこの世に戻ってきました。

この年の7月に今のアサワに出会ったからです。

彼女の話はわたしを現実の世界へと呼び戻しました。

彼女はフィリピンのいろいろな事を話してくれました。

この話を聞いてわたしは自分の小ささを知りました。

こんな小さいわたしが、いったいなにを考えているのだろうと気がつきました。

わたしも金森と同じように、新しい人生を送りたいという気持ちでいっぱいになりました。

私の歳もちょうど39でした。

もっと自分の足元を見つめて生きていきたい・・・

2000年はわたしにとっての新しい人生が始まる年になりました。

そして、きっと金森にもそうであったと思います。

風の噂で聞きましたが、金森は某都市で立派に働いているという話です。

まだ、わたしには何の連絡もありません。

わたしから連絡する事もありません。

いつかまた会える日が来るのかもわかりません。

いまはまだ、なにもわかりません・・・


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2007年05月14日

“ Boz Scaggs ”

おはようございます。

さて、わたしは無類の“洋楽”好きでして、そんなものもこちらで紹介していこうかなと・・・

で、今日は“ Boz Scaggs ”です。

大好きです。
理由は

1、高田順二に似ている
2、歌がかなり下手
3、でもイケてる

以上です・・・・・(^_-)

Boz Scaggs TV interview in Japan(1994)


We're All Alone



You Can Have Me Anytime



Boz Scaggs Lowdown Live



Boz Scaggs - Heart of mine


Boz Scaggs - Lido Shuffle



Sierra-Boz Scaggs



Boz Scaggs - Jojo
http://www.youtube.com/watch?v=pBjuNRRHgG8

Boz Scaggs - Breakdown Dead Ahead



Boz Scaggs - Georgia

posted by 委員長 at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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